ジグ工房 その1

 

「北海道のつり」1999年1月号別冊付録、「岡式海雨鱒用鉛製魚型文鎮疑似餌制作」(発行:株式会社水交社)により島牧では定評のあるオカジグの制作者 岡貞光氏のジグメイキングを読み、やっぱり面倒くさいので「岡さん、ジグ頂戴!」と思っていたのですが、当クラブの海雨次郎が作成したとのことで、次郎にできれば俺にもできるべと思い、早速材料を買い込んでジグ作りをはじめました。

 

1.   デザイン

  まずはジグのデザインづくり。ノートに作成したいジグをデザインします。

気を付けることはジグのサイズです。市販のものと比較して、長さと目標の重さを決めます。

デザインを決めたら、厚紙に写します。(ノートの表紙など)

 

        だいぶ不鮮明ですけど

 

2.   型彫り

厚紙に写したデザインをはさみで切り抜き、砥石になぞります。

このとき、なぞる位置を端にしておくともう一つ型が彫れます。

砥石両面をなぞったら、鉛を流し込む部分と空気抜きとアイの部分を書き入れます。

空気抜きを付けないと鉛が先端まで行かないので注意。

鉛を流し込む部分は、厚いところの方が良いです。後方重心タイプであれば、後ろの方。

彫刻刀で丁寧に彫っていきます。1000番ぐらいの彫りやすい砥石なら片面2時間ぐらいで彫れます。

 

ポイント

彫りやすい砥石:たまにボンド成分の多い砥石があります。これは全然彫りにくいです。気を付けて。

       私は、ホームセンターで売っている台付き砥石(色は薄いブルーグレー)で1000番の

       「鋼はがね用」を使用しています。

 

裏技:

下書きする前の砥石を水に浸して研ぎます。砥石を砥石で研ぐんです。こうすると合わせ面が真っ平らになり密着するので、鉛を流したときにバリが少なくきれいに仕上がります。また、削るときも水分を含んでいて非常に削りやすいです。しかし、カミヤスリをかけるときは、乾燥していた方が良いです。注意しなくてはいけないのは、鉛を流し込むときは十分乾燥していないと、砥石の中の水分が一気に蒸発して鉛が吹き出すことがあるので、注意して下さい。

 

割り箸にカミヤスリを付けて丁寧に仕上げます。

 

 

 

3.   フックアイ

板にジグのアイの間隔でくぎを打ち、くぎの頭をペンチで切り落とします。

ステンレスの針金を釘にあわせ曲げます。

ペンチで綺麗に仕上げます。

 

 

4.   型抜き

砥石にフックアイシャフトを入れ、2個の砥石を合わせます。下に木を敷いて斜めになるようにセットし、ずれないように私の場合は布団ばさみで砥石を挟み固定します。

鍋に鉛を入れてコンロにかけます。トロトロに溶けたら鉛を流し込みます。この鉛の温度が低すぎると、鉛が全部きれいに流れません。堅すぎると鉛の入り口の部分が肉痩せします。

鉛の取り扱いには十分気をつけて下さい。

ある程度冷ましたら溢れた鉛を取り除き、型から取り除きます。

 

ポイント

フックアイの部分を両方同じように削らないと、合わせ目が上下左右に微妙にずれます。

溶かす鉛ですが、種類によって堅さが違います。薄いルアーだとフニャフニャなんてことも。

私の場合、普通のおもりに、印刷屋さんで使っていた「活字」を混ぜて使っています。(これが結構堅い)

比重も軽くなるため、混ぜ具合によって重さが3〜5gぐらい変わります。

 

 

5. バリ取り

へそを取り、バリの部分をヤスリをかけて綺麗にします。アイの部分もペンチで余分な鉛を取り除きます。

 

このブランクの状態で重さを計ります。希望の重さになっていればOK。

できれば背中に、マジックで色を塗り(泳ぎテストのため)

飛行テスト、スイミングテストをします。

うまく飛ばなかったり、泳ぎが悪いときは、型を削って調整します。

 

 

6.        つづき

 

 

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